http://chat.luvul.net/ChatRoom?room_id=38009のログです

レフ♂ロバ獣人
(朝7時…森の中をひたすら歩いて,今どう見たって妖しすぎて困っちゃう洞窟の前で装備を確認している,犬・白熊・ロバ獣人.この場に来るまでにも数回,魔物に襲われたけど,ライカさんが道端の花を摘むような所作をしただけで瞬殺されて,戦闘ってイメージ無いまま今に至ってたりします.)
やっぱりここ…出そうですかねぇ…レベル高のモンスター?
(ちょっとだけ緊張張り詰めた感で準備する2人を見て,なんだかこっちも心配になって…万が一の為の短刀を取り出して装備する.)

レフ♂ロバ獣人
(「あ,ちょっと心配したでしょw.でも,今まで危ない思いした事ないよね.大丈夫だって.」僕の肩を軽くたたきながら洞窟の前に立つ.「イリヤがそんなに毛を逆立ててるからレフさんが心配しちゃうじゃないか.」おどけた風に白熊に向かって軽口を叩く.振り向けば…確かにブワッと純白の体毛がピンと立ち何かを感じているように見える.「まったくライカはわかって無いんだから,たまには全力出しておかないと体がなまっちゃうでしょ!ねぇ,レフさんすごいの見てみたくない?」と軽口を返すイリヤ.ああ,そうなのか全力出すための準備運動みたいなものなのね.確かに全身に纏われている魔力のベールが見える気がする.)

レフ♂ロバ獣人
(「はいはい,お手柔らかに頼むよイリヤ,あまりここで時間をとってもいけないし進もうぜ.レフさんもイリヤに見とれてると喰われちゃうぞ,ほら入った入った.」ライカさんのその言葉に促されるように覚悟を決めて洞窟の奥を目指して再び歩き始める.ランタンを持って先陣を切ってくれるライカさん,間に私.そしてしんがりにイリヤさんの布陣.一応,お2人にも聖水をお配りしてあるから早々魔物は出てこないはず.出てきた時は…いや考えるの止めておこう…沈黙の時間が続く.ザクザクと地面を踏み締める音だけが続く沈黙の時間.)

レフ♂ロバ獣人
(「んー,ねえレフさん今回はどんなものとるんですか?俺,いつもの森の中のほうが楽しいんだけどなぁ…ココは…じめじめしてやな感じ,狭いし,音が反響してうるさいし…」沈黙が気になったのか,それとも本当に洞窟嫌いなのか定かでは無いけれど,前を向いたまま話しかけてくるライカさん.)
あ,ちゃんと説明してなかったですかねぇ…『リンデンモス』って苔の胞子体なんですけど,賢さのステータスが一時的に上昇する薬を作ることができるんですよ.魔術系の人だと呪文の効力が上がるし,攻撃系の人ならクリティカルヒットの確率が上がるはず…です.まだ,攻撃系の人には売ったことが無いのでよくわからないってのが本当のところなんですけどね.
(依頼したとき,説明したはずだけど…きいてなかったな…と思いつつ,きっとビクビクしている自分を見かねて話しかけてくれたと信じて返答をして.)

レフ♂ロバ獣人
(「じゃ俺,たくさん飲んだらイリヤより頭良くなるって………っ…ごめんレフさんその話は後でゆっくりねっ!イリヤ行ける?」「当然,10分前から準備できてる」突然のシリアスモード.2人が前線に踊りでる.ライカさんはすでに抜刀し全神経を前方に向けて身構える.「レフさん自分の身自分で守れるよね.ちょっと後方待機お願いね,たぶん10分くらいでかたがつくと思うから…」イリヤさんは視線で安全な場所を教えてくれた後,足場を固めて両手を前に突き出し呪文の詠唱を始める.いつもは見せない犬歯の光が時折見え隠れして.)

レフ♂ロバ獣人
(後ずさりして,平たい土地にたどり着いた頃,ライカさんはすでに戦闘を開始していた.幾多の触手を繰り出しながら迫ってくるスライム系モンスター,確かにこれは厄介でレベルの高い相手.イリヤさんが全力出すって言ってたのって,こういう輩がいそうだってことだったのか…)
すみません,お願いしますね…
(道具箱を盾にして置いて,中から『防御の雫』を取り出し自分の周りに円を描くように振りまく.地面に染みこんだ液体から鉛直に光のカーテンが出現しロバ獣人を包み込む)

レフ♂ロバ獣人
(「特等席でじっくり見ててくれよなっ…おっと…ちょっと,まずいか…実況は今日は出来そうに無いね…」いつもよりスピードを上げて,2人に襲い掛かる触手の先端を研ぎ澄まされた刃物の切っ先が次々と切り落としていく.いつもなら一撃必殺の技を繰り出すライカさんが一気にトドメを刺さない,いや刺せないって事は,こいつ結構レベル高い奴なのか?とりあえず犬系種族に効く揮発性の回復治療薬結界の外に出しておいてよかった,しばらくは触手と接触した時のダメージは自然に回復できるはず…あとはイリヤさんに任せるしかないんだろうけど…何も出来ない自分が情け無い.)

レフ♂ロバ獣人
(「ふんっ…とに…後から,後から…よくも…まあ…飽きずに触手,出して…くる,もんだ…まったく…,あ,痛っ…」なんだかんだ言いながら,スライム本体まであと1mくらいまでじわじわ進んでいくライカさん.切り落とされた物体は再び本体に吸収されている.接近した分被弾する割合が多くなってきたのか,ライカさんの体毛がささくれ立ち確実にダメージが蓄積されてるのが目に見える.)

レフ♂ロバ獣人
(「そろそろ,そろそろだよなぁ…イリヤ?ん…はぁ…ぁ…,ねぇ…いつもより詠唱長く…ない?」ちょっと息が上がってきてるのか,ペースが速くなって来ている触手の攻撃を受けるのに専念しているのか,徐々に口数が少なくなってきてる.「あ,ちょ…ヤベ…」正面から複数出て来た触手に巻きつかれるライカ.刃物を器用に持ち替えて取り巻こうとしている触手を振り払っていくが,圧倒的物量の粘性体がライカの体を包み込み始める.)
うわぁ…ライカさん!逃げて!逃げてくださいよぉ!ダメージ回復してくださいってば!何とかしてくださいよぉ…イリヤさん!
(何も出来ないレフの声が洞窟に響く.)

レフ♂ロバ獣人
(一瞬だけこっちを向いて,軽く微笑み再びターゲットに突き刺すような視線を注ぐイリヤ.足元には紡ぎ出した言葉によって作られた魔方陣が瑠璃色の光を発している.一呼吸置いて魔法発動の呪文詠唱が始まる.魔方陣が詠唱に呼応して,両手を広げて上に突き上げた白熊の体を地面から上へ流れるように登っていく.白い体が瑠璃色に照らされる,広げた腕の先で光の輪は止まった.グッと握り締めたこぶしを前方に突き出し…,一瞬詠唱がとぎれる.そしてゆっくり吸った息とともに長い詩の最後の部分が発せられる)

レフ♂ロバ獣人
(『ファスコージ…ダ・ブランコージュ,デ・ラ・グラーシコ!』手が開かれると魔方陣から一気に氷柱がモンスターに向かって伸びていく.全方向系ではないみたい,スピードは無いけど確実に敵に進んでいっている.襲い掛かる触手には柱から出る氷の枝が一つ一つつぶされていく.)す…すごい…これって,絶対命中するっていう古(いにしえ)系の伝説呪文…昔,店番した時に見た魔法の書に載ってた…ほ,本当に使える人いたんだ…(洞窟内の大気の水分も巻き込んだ氷の杭が確実にスライムを捉えようとしている.しかし,その先には触手に捉えられているライカの姿が)

レフ♂ロバ獣人
(我に返って2人に向かって叫ぶ,もちろん自分が何も出来ないことは知っているが.)
わーーーライカさん逃げてってば!って前にイリヤさん確認せずに撃つなんて…ちょ…どうするのっていうか,どーするのこれって!わ,もう…っ
(枝分かれして進んでいく氷の柱はライカを巻き込みモンスターの本体に突き刺さる.流体の塊が見る見る固体へと凝固する.ものの数秒で完全に動きを停止する物体.圧倒的魔力でモンスターは制圧された.)
あぁ…ライカさん…
(蘇生剤を取らなきゃ…と結界を解き道具箱に走る.)

レフ♂ロバ獣人
(「…ああ,レフさん!慌てなくても大丈夫…ほら,よく見て.」魔方陣が消え巨大な氷柱の前で氷化したスライムの方向を指差すイリヤ.)
え…どういう…あっ!ああッ!ライカさん!
(枝分かれした氷柱の中から勢いよく飛び出してきたのは紛う事なき犬獣人のライカさんで.)
え…ええ!ど…どういう?
(驚くロバを尻目に氷付けのスライムの頂上部にたどり着き「いやー,竜の教えてくれた呪文って効くねぇ…凍え死にするかと思ったw,でどこら辺がとどめ?」「今たってるとこの2歩左前から2mくらいのところ.最後ヨロシクね.」「はいはいー,じゃさくっと刺して来るからちょっと待っててー!」って,なんてのんきなやり取り!シリアス場面はどうなった?)

レフ♂ロバ獣人
(両手で剣を握ってスライムに突き立てたライカさんの体は,まるで肉を切り裂くように出来たスライムの隙間に吸い込まれていった.そして数秒後ガラスの砕けるような音とともにモンスターと氷柱は微塵になって洞窟の霧となって消え去ってしまった.地上に立って自らの剣の刃こぼれが無いか確認しているライカさんを残して.)
す…すごい…一撃で…
(つぶやくレフの横にいつの間にかイリヤさんがやってきて「あ,回復薬もらうね.すごいでしょあれ,普通はあんなふうに凍ったものを裂くことなんて出来ないのにね…なんだかわからないけど,物体の弱いところを見切ってるらしいよ.本人褒めると調子に乗るからあんまり言わないけど…素敵よねぇ」とイリヤさん.確かに職人の中に自在に物質を扱える獣人さんいるけど…あれのバトルバージョンって事なのか…,と納得しつつ,心の中に溜まってるものを一気にイリヤさんに尋ね始める.)

レフ♂ロバ獣人
あ,あの呪文って古(いにしえ)の系統の魔法で今使える人ってそういないのじゃないかと…あと,それに…どうしてライカさんは氷の矢にやられなかったのか,あと…あと…んぐっ!な…イリヤさん?
(イリヤさんが,レフの口先を指で押さえて質問を遮った後,手にした薬ビンの中の液体を一気に飲み干して,「一応企業秘密なんだけど,さっき『いいもの見せてやる』って言った手前もあるしねぇ.あの魔法ね…レフさんはダンデから聞いたみたいだけど,いわくつきの竜の話あったでしょ,あの竜が教えてくれたの.口伝でね.だからちゃんとした記録が残らない古の魔法って事.あまりライカ以外の人に見せるのはどうかと思ったんだけど,意外にきつい奴出てきたし…あ,一応僕がこれ使える事内緒にしておいてね.余分な仕事が増えると困るからね.」念を押すようにマジマジとレフの目を見つめつつ.)

レフ♂ロバ獣人
そ,それはもちろん,こういう商売って信用第一ですから…もちろん誰にも.でも,もうひとつ…あの…ライカさんが…
(とここまで言葉をつないだ時に,イリヤさんはレフの耳の先端を掴み耳元で小さな声でつぶやいた.「それはね,古の魔法の特徴で『愛する人には効力が無い』って事…これも内緒ね.」それだけ言うとレフの道具箱から回復薬を取り出し「おーいライカ早く薬飲まないとHP0になって死んじゃうぞー!」さっき耳元で聞いたトーンとはまったく異なる声色でライカのいる方へ向かっていく.)
愛する人ねぇ………そう来ましたか….
(艶っぽい声とその内容を頭で反芻し,レフはタテガミをたくし上げ頭を掻きながら,こちらもボソリと呟いた.)

レフ♂ロバ獣人
さて,仕事,仕事…(道具箱から麻袋と剪定用の小刀を取り出してさて仕事を開始するかと…その時突然「あーーーーーっ!」と向こうでイリヤさんの叫び声が聞こえる.な,何事!慌てて声の方向に目を向けると…額に手を当てて困り顔のイリヤさんの視線の先に,『黄金の狼』が…って,これから収穫しようと思ってた苔の絨毯を転げまわるライカさんの姿が…苔の胞子がライカさんの体毛にくっついてそう見えたのか….「ねぇ!ここふわふわで気持ちいいよw,ここで体力回復してて良い?それに,どうこの金色!素敵でしょ!ちょっとカッコいい?ねえ?イリヤってば!」んー,さっき説明したはずだったんだけどなぁ…もしや聞いてなかった?あわててイリヤさんの下に駆け寄って,その惨状に2人は声もなく立ち尽くして.)

レフ♂ロバ獣人
(止まった時が少し動き出して,呆然としているレフの肩を叩くイリヤさん.こちらを向いてボソリと呟く.「殺っちゃいますか?」)
はい,殺っちゃってください
(頷くレフ.「グラーシェ!」「ぐあっ!」呪文と悲鳴がほぼ同時.黄金の苔の海原に氷付けの金色の犬獣人が立っている不思議な光景が広がっている.「悪いねぇ…迷惑かけちゃって,ゆっくり解凍しながらまってるからお仕事始めててねぇ.」オブジェ状態のライカさんを担いで苔の海を歩いていくイリヤさん.)
あ,いえお気になさらず,気がついたら回復剤あげて下さいね.
(2人を見送り,残った苔の胞子体を刈り取り始める.)
良いですねぇ…相方…ま,一人も悪くは無いんですけどねぇ…
(ちらりと2人の姿を振り返り)
古の言葉を操る魔道師と物質を切り裂く黄金の狼…まさか…それは…ねぇ…
(軽く首を振り,肩をすくめてから,再び胞子を回収し始めるレフ.洞窟に焚き火の音と苔の上を歩く音だけの静寂な時間が戻ってきた.)

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます